比較検証! HANWAG BADILE COMBI Ⅱ GTX / FERRATA COMBI GTX

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皆さんこんにちは。

前回に続いてドイツのクラフトマンシップあふれる登山靴 HANWAG から BADILE COMBIFERRATA COMBI を比較しながら掘り下げて検証していきたいと思います。

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左: BADILE COMBI   右:FERRATA COMBI

どちらもロックシューズと言われるカテゴリーに分類されます。

 BADILE COMBI は安定性を保ちながらもギリギリまで軽量化を計った作りで軽量な装備でテクニカルでスピーディな行動を目的として設計されています。

 FERRATA COMBI はそこそこ軽量な作りで重荷を背負った縦走やアルパインクライミング、ヴィア・フェラータなどオールラウンドな使用を目的として設計されています。

検証その1 木型
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創業者のハンス・ワグナーが足の整形外科であることから様々なタイプの木型を研究している HANWAG社 は靴の性質に合わせたものを採用しています。

まずは新しい Alpine Wide 木型を採用している BADILE COMBI から
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全体的にフィット感を高めながらもストレスのかかりやすい前足部の特に小指側にボリュームを持たせています。
ブレや遊びを最小限に留めながら圧迫を抑えた構造と言えるでしょう。

次に新しい Normal Alpine 木型を採用している FERRATA COMBI です。
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全体的にストレートでつま先に向けて重心が集中しやすいようにカーブしています。
しかしながらストレスのかかりやすい小指側までは真っ直ぐで圧迫を抑えた木型です。

特にHANWAGはラバーバンドの掛かりを非常に考えていて
イメージ 15丁度小指のところのラバーをえぐってストレスを軽減るように工夫しているのです。
これは最近のロックシューズに採用されています。

 BADILE COMBI より FERRATA COMBI
のほうがラバーが深いためえぐれも大きい。


どちらもクライミング性能を犠牲にせずに歩行時の快適さも併せ持つオールラウンド性を持たせている。


検証その2 アッパーの作り

 BADILE COMBI から
イメージ 14軽量化を計るため補強のスエードも極力少な目。
コーデュラナイロンの面積が多いので縫いで補強するなどで耐久性も考えている。


シューレースのシステムは甲からすねにかけて全体をしっかり固定するタイプでカフの高さを抑えたクライミングシルエット。








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HANWAGお得意の足首をきっちり締められるディーププルのテイストが感じられるアンクルテンション。

カフ上部はハニカムストラクチャーで補強されたネオプレーンを多く使うことで足首の自由度を可能にしている。



 FERRATA COMBI
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スエード補強が増え安定性とコンフォート性を重視しているのが分かる。
タンにもスエードの補強が入る。


シューレースのシステムは甲の部分と足首からすねの部分を締め分けるクリッククランプを採用している。
幅広いシチュエーションを想定している。


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足首はディーププルにより足首をしっかりホールドすることで下山時のズレを抑える。

ラバーバンドも深く丈夫で型崩れがしにくい。
重荷を背負ったときに型崩れが起きにくく安定したホールド感を可能にする。



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足首の自由度の高い低めのタンを採用した BADILE COMBI
シッカリ補強した高めのタンでしっかりサポートする FERRATA COMBI
ここにも性格の違いが出ている。

検証その3 ソール

 BADILE COMBI から
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ミッドソールはやや薄い作り。しかしながらクッション性がある。
イメージ 7トレッキングのようなしなやかなシャンクを採用している。
軽量化のためラバーバンドは最小限に抑えている。

 FERRATA COMBI
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厚めのでハードシャンクを採用したライトアルパイン向けのミッドソールを採用しているがクッション性は高い。
ラバーバンドがしっかりと深いく堅牢である。

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手の力だけでしなる BADILE COMBI と比べ FERRATA COMBI の方はほとんど曲がっていない。もちろん全体重が掛かれば適度なしなりはある。


アウトソールも比べてみたい。

 BADILE COMBI
イメージ 9もちろんヴィブラム社製だが今までのクライミングとよく似ているが溝が浅い。
ブロック間が広くベースが三角形で凹凸になっており泥が付きにくく排出されやすくなっている。
これはHANWAGとVIBRAM社で新しく開発されたオリジナルソールのようです。
フリクションもかなりいい。
PEPE というネーミングになっている。


次に FERRATA COMBI
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ロックシューズでは定番のVIBLAM社クライミングⅡ
ブロック間が狭くフリクションを意識した作りである。
トレッキングタイプよりは浅いが BADILE COMBI のものよりは溝が深い。


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ソールのつま先の上がり具合はどちらも歩き易く上がっているが
 FERRATA COMBI のほうが上りがきつく反っている。
シャンクが硬いのでその分上げて歩行性能を上げていると言えるだろう。

しかしながら BADILE COMBI も上りを抑えてもその分柔らかめのシャンクでしなるので歩行性能はかなりいい。



以上、色々と比較しました。
ロッククライムからライトトレックまで幅広く対応可能なオールラウンド性の高い超軽量ロックシューズ BADILE COMBI
とアルパインクライミングから縦走登山、意外とトレッキングでも歩き易い軽量ライトアルパインシューズ FERRATA COMBI の比較検証でした。

シューズ選びの参考にして頂ければ幸いです。
秋山シーズンに向けて店頭で是非履いてみて下さい。


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